兼ねてより告知させて頂いていた
「Career Salon at 5th」の記念すべき第一回を
沢山の皆様の温かいサポートにより
昨晩無事に開催・終了することが出来ました。
7-8万人の日本人が住むと言われるタイ。
数多の和食レストランを始め
日本語が通じる総合病院、学校、お教室、他様々なサービスは
他国のそれとは比べものにならないほどの住みやすさを
異国にいながらにして享受できる住環境があるように感じます。
しかし、
これらをつくり上げてこられた
先達による途方もない道のりに感謝しつつも
女性視点という偏ったレンズで見渡してみると
どうしてもまだまだ
これから未来に活躍する後輩のため、
そしてもちろん自分たちがより暮らしやすい環境を整えるために
動かなければいけないことが山積しているように思えるのです。
私たち日本人コミュニティが属する日系企業において、
仕事上接する日本人は殆どが男性。
決裁権を持つ組織のトップはほぼ100%男性。
日本とタイという二国の持つ様々な歴史的背景や政治的事情から
こうした現状があるのは理解に容易いものの
あまりにも男性社会に浸っている中で、
とうとう周りに女性がいないという事実や
女性社員が抱えているであろう問題に
疑問や関心すらを
抱くことすら忘れてしまうことには危機感があります。
一体どれだけの女性が孤独や不安を抱えながら
家族や友人のいる母国から遠く離れたこの地で
男性上司とタイ人スタッフの間で
孤軍奮闘しているのかと
心配に思う気持ちが次第に自分の中で色濃くなっていきました。
バンコクに住む日本人女性、
または日系企業で働く外国籍の女性が集い
彼女たちのライフキャリアをシェアしながら
それぞれが抱える悩みや問題を解決していく場がつくれないだろうか。
親しくしている女性の友人数人に
この企画を話してみたところ
思った以上に賛同してくださったと共に
自分たちにも何か出来ることはないかと
背中を押してくれたことが大きく
小規模ながらも企画から1ヶ月足らずで開催に至ったのでした。
平日水曜夜19.00-21.00ということで
遠方勤務の方や車通勤の方の渋滞事情を心配していたものの
当初想定していた人数を上回る方から参加表明をいただき
3か国籍からなる13名(+ゲストスピーカー)の女性たちが参加くださりました。
テーマは「ライフキャリアについて考える」とし
1名のゲスト(今回はBTL SANKYO GLOBALの大岩美波子さん)の
過去・現在・未来のライフキャリアを題材に
全員で今後のライフキャリアにアドバイスをプレゼントする
という仕立てです。
一番盛り上がりを見せたように感じる
「お悩み&アドバイスセッション」
から出てきた内容を一部ご紹介します。
ゲストのお悩み→Q
参加者からのアドバイス→A
Q-1:ロールモデルとしての女性管理職の少なさ
A:実際タイ人の女性管理職者は多く、仕事・家庭のどちらも
諦めない方が多いイメージなので彼女たちに相談したり参考にする
A:同じ会社の女性社員(自分より年次や役職が上の方)とシスター制度を組み
1年くらい掛けてメンターとしてキャリア形成を手伝ってもらう(実例)
Q-2:勉強(研修など)相談場所・・・人事部不在
A:自分自身が実績を積んで管理職になり発信力を付ける
(人事機能をつくる提案や働きかけをする)
A:本を読んだり多くのコネクションをつくる
A:悩んでいることを明確にまとめ、社内外含め誰に聞くかを決めすぐに聞く
Q-3:営業方法、費用対効果・・・接待、ゴルフ?
A:ウィークリーマガジンを配信し、こちらが動かなくても
レバレッジを掛けて営業できるような環境をつくる
A:セミナーやイベントなど多くの人が集う場所に行き効率的に営業する
A:自分で全てすることを考えるのではなく、
部下の能力とお客さんを上手くマッチングさせるアンテナを張る
A:各お客さんに合わせた営業をすることが結局は近道となる
A:接待を受ける側なので自分の発言がコストやデリバリーに対し
公平性を保っているか気を付けている
(自分の言葉によって変な力が加わらないか常に意識している)
Q-4:お世話になった人々や地域に還元・貢献できること
A:駐在員の子供にボランティアで英語を教えるなど
お母さんをサポートする(得意なことを活かせる場を探す)
A:日本語を学ぶタイ人に日本語や日本文化を教える
A:かつて自分が困ったことに対し同じことで困っている人のサポートをする
(妊娠中つわりや出産に関する情報が得られなくて困った経験から
管理栄養士の資格を活かした専門的なアドバイスをする、など)
A:寄付だけでなく、言葉が通じなかったとしても
里親のない子供と遊べるようなプログラムに参加する
参加者の属性を細かく分別すると
下記のようになりましたが
多様な視点から、より納得度の高い
多角的なアドバイスが受けられたように思います。
私自身とある企業さんで取り組まれているという
「シスター制度」は
形を変えてこのCareer Salonでも実施できないか
と考えており
素晴らしいアイデアを頂きました!
>日系企業勤務者
駐在員(管理職者、非管理職者)
ローカルスタッフ(管理職者、非管理職者)
現地採用
>外資系企業者
ローカル採用
>駐在員妻
>学生
悩みは幸せのタネ、
悩みを解析し幸せを見つけよう
という意味のフランスのイディオムがあるのですが
ゲストの大岩さんが投げ掛けてくれた幾つものお悩みから
参加者の皆さん一人一人の素晴らしい前向きなアイデアにより
一女性としてだけでなく、社会に属する一人の人間として
狭い視野を少し広げる機会が得られました。
仕事でとても辛かった時期に
「置かれた場所で咲きなさい」
という言葉が
支えてくれたという大岩さん。
20代という若さ、
タイ支社では日本人女性一人、
加えて日本人社員では勤務年数が最年長
といった
文面以上に大きな役割を背負いながらも
自ら道を切り拓いている素敵なファーストゲストとともに
様々な分野で活躍する魅力的な女性が集まり
企画者の私が一番学ばせて頂いてしまいました。
女性による女性のためのプラットフォームとして
機能していくにはまだ始まったばかりなのですが
実際にこの取り組みを始めてみた後で感じることは
小さくても一つ一つのアクションが
未来を変える可能性となることです。
Career Salon by 5thのサブタイトルを
Where miracles beginとしてみたのですが
いつか、この場が誰かにとって
奇跡的な何かが始まった起点となることを願って
第二回開催の企画をしていけたらと思います。
もちろん女性達だけでなく
男性の皆さまのお知恵をこれからも拝借できれば幸いです。
7th March
Maria